冬の間に少しづつ買い集めたブルーベリー苗。
次第に暖かくなる3月、いよいよ苗木の植え替え作業をしました。
タイタン・レカなど多品種のブルーベリー苗木を30本植え替え
パテント品種を含めて、新たに約15種類を植付しました。
多くの種類を楽しんでもらいたいと思いつつも、当園で育つ品種かと心配になることもあるので、毎回少しづつ購入しています。
最近の急激に暖かさで苗木が乾燥気味に。
ブルーベリーのストック土に埋め、乾燥を防ぎながら保管しています。
今回の品種はハイブッシュ系とラビットアイ系の両方
(ドレイパー・オーロラ・ケストラル・ファージング・ニューハノーバー・オーゼキブルー・タイタン・クレイワー・レカ・ヌイ・マグノリア・マウンテンブルー・ブルーソレイユ・ブラデン・ブルーマフィン)
ブルーベリーに適した酸性度4.5の土づくり
まずは、ハイブッシュ系とラビッドアイ系の両方を育てられる酸性度4.5の土を作ります。
酸性度4.5にすることで、品種を意識することもなく栽培できて、管理が楽が楽です。
さて、この「土づくり」も紹介したいところですが、当園には誤って作ってしまった酸性度がキツい土が大量にストックしてあるので、今回は複数の土を組み合わせて酸性度の調整をしながらのブルーベリー用土づくりをしていきます。
ブレンド用ノーマルな土づくり
排水性と保肥力がある土をまず作ります。
- ココピート(※) – 50%
- 鹿沼土 – 25%
- 軽石(小粒) – 8%
- パーライト – 8%
- 腐葉土 – 5%
※ピートモスではなくココヤシピート
ココピートなので酸性度はあまり下がりません。
酸性度のキツイ土とノーマル土のブレンド
酸性度のキツイ土は当日の測定でph3.3、ノーマル土とブレンドしてph4.5にしていきます。
今回の比率は、大型バケツを使ってキツイ土とノーマル土を1対1でブレンドしてきます。
キツイ土は長期間に放置している分だけ同じ体積でも、密度が濃くなっているので、純粋に50:50ではなく、60:40ぐらいと想定してます。
超ざっくり計算でph4.5になります。
酸性度の多少の変化で気がすぐにダメになることは経験上ないです。
なので、あまり焦らずに定期的に酸度計チェックで調整していくことにしています。
ちなみに、この酸性度の低い土は以下の配合で昨年作ったものです。その際に硫黄粉の量を間違っていれ、ph3以下の土でした。
配合:ピートモス25%・ココピート25%・鹿沼土25%・軽石(小粒)8%・パーライト8%・腐葉土8%・硫黄粉大量
苗木の根の状態をチェック、ほぐして植え替え準備
続いて、苗木の準備をしていきます。
まず、苗木のポットを外して根の状態を確認しつつ、少し根をほぐします。
根をほぐすことで、根張りがよくなります。
ポットを外した苗木
根の周辺をほぐす
準備が整った2年生苗をスリット鉢に植え替え
排水性がよく、コスパの良いスリット鉢
苗木の4-5号ポットから一回り大きい8号のスリットポットに植え替えしました。
水が溢れない高さまで苗木と土を入れる
苗木をブルーベリー土で植えていきます。目安は鉢の上部から2センチぐらいまで土を入れること(写真ぐらい)。そうすると、水をあげたときに溢れずにすみます。
排水性が高いスリット鉢は鉢底石は無くて大丈夫。
しっかりと水をあげて苗木の固定
鉢の底から水が流れるまでしっかりと水をあげながら、鉢と苗木を揺らして鉢の中の隙間をなくします。
隙間があると土の中にガスが溜まり、苗木の成長によくないです。また、水を入れて揺すると、土が沈んで目減りするので、沈んだ分だけ土を入れてあげます。
約30本の植え替えを完了
この植え替え作業を続け、本日は雨がふるまで植え替えを続けました。
写真の緑色のスリット鉢、手前から約30本が本日の分です。
ブルーベリー苗木の状態の良し悪しの判断
ブルーベリーの苗木を直接見て購入するときには、以下の点に注意するようにしています。
- しっかりとした太い枝がある
地面近くから爪楊枝のような細い枝が生えても無駄なだけなので、太い枝をチェックする - 土が固すぎない土
粘土質のようなガッチガチのつちは、植えるときにほぐしづらく、根の伸びもわるい - 草が生えてない
長期的にメンテナスされてない苗木にみられる - 根がしっかり生えていない
判断がむずかしいでが、以下でどういう状況か説明します。
根の状態のいい苗をどう選ぶか
正直なところ、根の状態は買ってみないとわからなかったりします。
ホームセンターであれば、苗木のポットを持ったときの柔らかさ、土の表面を押したときの感触で判断してます。ポットから抜いて状態をみてよいのであれば話は早いですが、
ネットであれば、できるだけブルーベリーの苗木専門店で購入します。あとはブルーベリー農家が作っている苗も良いことが多いです。
ただ、運に任せて、届いた苗を育てるのも楽しみの1つです。
今回を例に根の状態が悪いブルーベリー苗木とは
良い根の状態
この苗は当園で挿木から育てたもので、全体的にうっすら根が張っています。排水性の良い土を使って、ポットに植えてから1年程度で状態がいいです。
良くも悪くもない根
白い細根がみえるものの、黒ずんでダメになっている根もあります。これぐらいであれば、黒ずんだ部分を削り取って、問題なく植えれます。
ひどく悪い根の状態
苗木の地上部分の大きさに対して、根がほとんどないです。かなりヤバイ状態。ポットから出したときの写真が残ってないものの、土が真っ黒で腐ってるのが分かる状態でした。
ダメな苗を育てるときの注意点
万が一、購入した苗の根がダメなときも、諦めずに木をいい状態にしていきましょう。ブルーベリーは強い木なので大体は復活します。
苗木の植え替え・植え付けだけでなく、育てる中でも状態が悪くなることもあります。
同様の方法が改善することがあるので覚えておきましょう。
- 排水性の高い土に植え替え
購入した苗で土や腐ったな根がある場合には、新しく排水性のいい状態にする - 水を上げすぎない
根が駄目になると水分給水量がへります。水を与えても吸えなく、根腐れをおこすので、植え替え時に水を与えたら、土の表面が乾くまでじっくり待ちます。 - 半日陰に保管
強い日に当たっても、根から給水できずに苗木の水分がへり、逆に木がよわまります。日陰に保管します - 枝を減らす
枝葉があると蒸散する一方、根から給水できないので苗木の水分が減り、木が弱まります。根の量に合わせて、枝を減らしておきます。
ダメな苗木の枝を減らす
根の状態が良くない苗木の枝を減らしました。
- 大きく伸びた枝
- 根元の細い枝
本当はもっと減らしたいぐらいですが、一旦これぐらいにして、様子を見ながら調整していきます。
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