【7月編ブルーベリー育て方】暑さ対策と収穫を楽しむ

7月はハイブッシュ系の収穫が続きます。
今回は収穫を楽しみつつも、暑さ対策もひつような7月のブルーベリー管理を解説します。

美味しく育てるポイント

収穫して食べる!
美味しく実った果実を収穫して食べましょう

防鳥と防虫
果実を鳥に食べられてしまったり、収穫中に毛虫に刺されたりしないように対策!

水やりは程々に
梅雨明けとともに猛暑がはじまります。水のあげ方に気をつけましょう

7月のブルーベリーの状態

梅雨が明けて気温が上がり、日差しが強く、降水量も減ります。水やりをしっかりして、枯れないように気をつけましょう。
ブルーベリーの種類によって管理が変わります。大きくは以下の3つ。

  • 収穫が終わったブルーベリー
    • ハイブッシュ系でも早い時期に取れる品種
    • 時間に余裕があれば剪定や追肥で来年の準備
  • 食べごろを迎えたブルーベリー
    • 一般的なハイブッシュやラビットアイ
    • とにかく収穫を楽しむ
    • 忘れずに水やり
  • まだまだ実が青いブルーベリー
    • 遅めのラビットアイ
    • 防虫ネットや防虫剤で8月の準備
    • 忘れずに水やり

7月の収穫

7月になるとハイブッシュとラビットアイが食べれるようになります。

ブルーベリーは実の先端側から色付き始めます。日当たり等により成熟度合いには差ができますので、個々の実の色をよく確認しましょう。全体がブルーになってから4、5日後が収穫の目安です。追熟はしませんので、しっかり熟すまで待ちます。収穫の際は親指と人差し指で実を軽くつまんでねじります。十分に熟していれば実は柔らかく、果柄は枝に残り実だけが簡単にとれます。完熟果を取り残してしまうと過熟果となり、病気や害虫の発生源となるので注意します。

水やりをすると果実が水っぽくなってしまうため、水やり前に収穫するのがオススメ。

収穫のついでに掃除

腐敗した果実にはオウトウショウジョウバエが卵を産んで虫がわきます。かつて、出荷されたブルーベリーの実から幼虫が発見され大問題になったこともありました。以下のような実は狙われやすいので、見つけ次第除去しましょう。

  • 割れた実
  • 落ちた実
  • 虫や鳥にかじられた実
  • 病気にかかった実

また、そういった実を除去しやすいようシュートやサッカーなど余分な枝を取り除いておくことも大切です。
野菜くずや生ごみなどにも寄ってきますので、ブルーベリーの木の周りも清潔にしておきましょう。

暑さ対策の水やり

梅雨の間はほとんど不要だった水やりですが、梅雨明け後は必須です。水やりの習慣を忘れて木を枯らしてしまわないようにしましょう。日中の気温が高い時間に水をあげると、土中の水の温度が上がり根を痛めてしまうため、早朝ないしは夕方や夜など暑くない時間の水やりがお勧めです。上から水をかけると葉に当たって根元まで水が届かなかったり、葉に付いた水がレンズのようになり日光で葉が傷んだりします。水やりは上からではなく株元に行うと安心です

ホースの中の水が熱湯のように熱くなることがあるので、屋外においてあるホースには注意が必要

地植え栽培での水やり

果実が残っている木には地植えであっても2、3日に1回は水やりをします。収穫後の木であれば、週に1回程度で大丈夫な場合もありますが、木がしなったり、上部の葉がしおれたりした場合は水分不足です。十分に水を与えましょう。なお、ブルーベリーは主軸枝と根が対応しており、一部の根が吸った水を全体で分け合うことができません。水をあげる際には、木を中心に円周上に均一に水をあげましょう

鉢植え栽培での水やり

鉢植えの場合は乾きやすいため、毎日水やりをしても大丈夫です。木がしっかり育っていて蒸散が早く、土がすぐ乾くようであれば1日2回朝晩に水をあげることも検討しましょう。また、収穫後は必要水分量が減るため、2日に1回で足りる場合もあります。土の状態をよく見て判断しましょう。水やりの際は、しっかり中まで湿らせると共に、土中の空気を入れ替えて根に酸素を供給できるよう、底から水が流れ出るまで水をあげます土が水をしっかり吸収していれば鉢が重くなるので、鉢を持ち上げて確認してもいいでしょう。水分不足の状態になって暑い日中に水やりをせねばならなくなった時は、根を痛めないよう日陰に動かしてから水を与えます。もしくは、水を張ったバケツやタライに鉢ごと入れます

ブルーベリーの用土としてよく用いられるピートモスは一度乾燥してしまうと水を吸いにくいため、乾かしてしまった時は水を張ったバケツに入れしっかり吸水させます。

暑さ対策の見直し

夏の暑さ対策として、土の表面にマルチングを施すこと、水やりをしっかり行うことが大切です。マルチングにより、乾燥と地温の上昇を防げます。水やりは鉢植えの場合毎日行っても構いません。2、3年目の小さい鉢では1日で鉢底まで土が乾燥してしまうこともあるので、水切れに注意しましょう。

根の不調があるブルーベリーの保護

根の状態が悪くなると水分や栄養分を十分に吸収できず植物の成長は止まってしまいます。根が痛む原因は根腐れやコガネムシの幼虫などで、新梢が育たなかったり、枝ごと枯れたり、株元がグラついたり、ひどい時は枯れてしまったりします。土を掘って根の状態を確認し、状態が悪い時は腐った根やコガネムシの幼虫を取り除いて植え替え、日陰で養生させます。コガネムシの幼虫対策としては、「ダイアジノン粒剤5」という農薬を使う方法もあります。水の上げすぎ等で少し調子が悪い程度の時は以下を試して様子を見ましょう。

  • 水やりの頻度を見直す
  • 鉢の置き場所を変える(半日陰に置く、スタンド等を使って通気性を上げ熱も逃がす)
  • 肥料を控える

マルチングの見直しで直射日光が地表に当たらないように

夏場の直射日光が地表に当たると乾燥が早まってしまいます。マルチングをすることで乾燥と暑さから木を守り、雑草も防げます。野菜栽培ではビニールシートなどがマルチングに使われますが、ブルーベリーでは有機物を用いることが多いです。肥料成分が少なく分解されにくい以下のような素材を5-10㎝の厚さで表面に敷き詰めます

  • ウッドチップ
  • 樹皮(バーク)
  • もみ殻
  • 落ち葉

乾燥を抑えきれない小さい鉢植えは日陰に移動

苗木段階にあり直径15㎝の5号鉢以下で育てている場合などは、夏には乾燥しすぎることがあり、1日でも水やりを忘れると大ダメージです。受け皿に水を張れば大丈夫かというとそうではなく、逆に根腐れや病害虫を引き寄せてしまうのでやめましょう。水切れが心配な場合は、半日陰に移動することで乾燥を防ぎます。

素焼き鉢は乾燥しやすく、黒い鉢は温度が上がりやすいため、鉢選びも重要です。

8月の収穫に向けて、忘れていた作業のチェック

鳥の食害や虫さされ対策を忘れている場合には収穫の2週間前までにはやっておきます。

防鳥ネットで鳥の食害対策

鳥は美味しくなった実を狙いますので、特に防鳥対策は忘れず行いましょう
ひどいときは食べ頃の実が全てなくなります

  • 防鳥対策:網目20-30mmのネットを木を覆うようにかけます(詳細は6月記事)
  • 緑枝剪定:収穫の邪魔になる枝や伸びすぎた枝を切ります(詳細は6月記事)
  • 追肥:5、6月にやり忘れた場合や葉の色が悪い場合に行います(詳細は5月記事)

虫さされ対策の殺虫剤

イラガの刺されるとすごく痛いので殺虫剤で巻いておく。
イラガは葉の裏にいて、緑色でパット見で気づかなかったりします。収穫のときにうっかり触ったりしないように事前に差駐在を撒いておくのがおすすめです。
特にお子様がいる家庭では嫌な思いする前に!

7月の植え替え作業は危険

梅雨明けと共に気温が上がって乾燥しやすくなり、ブルーベリーにとって過酷な状況になります。根が出る前に乾燥で枯れてしまう恐れがあるため、挿し木はやめておきましょう。また、根にダメージを与え吸水できない状況にしてしまう可能性があるので、植え替えは緊急性がない場合は控えます。根詰まりしてしまったなどやむを得ない場合は、根を触らずそのままの状態でひとまわり大きな鉢に植え替えます。

日中の作業は熱中症を引き起こしかねないので、朝や夕方など涼しい時間に作業するのがお勧めです。

雑草の防除

夏になると雑草の成長スピードが速くなり、ブルーベリー周辺は水や栄養が豊富なので特に増えやすいです。また、ブルーベリーの根は浅く広がるため、雑草の根と競合します。水分や栄養分を雑草にとられないよう、見つけ次第手で抜き取りましょう

マルチングをしておけば雑草は生えにくいです。雑草を防ぐためにもマルチングを行いましょう。