【8月編ブルーベリー育て方】暑さ対策と収穫を楽しむ

8月はラビットアイ系のブルーベリーの収穫です。
熱中症に注意しつつ、ブルーベリーの収穫とお世話を楽しみましょう。

美味しく育てるポイント

収穫して食べる!
美味しく実った果実を収穫して食べましょう

防鳥と防虫
果実を鳥に食べられてしまったり、収穫中に毛虫に刺されたりしないように対策!

しっかりと「水やり」
猛暑は続く、鉢植え栽培のブルーベリーは枯れないように注意が必要

8月のブルーベリーの状態

8月は気温が35度に近く、土が乾燥しやすい時期です。ブルーベリーは乾燥に弱いので水やりをしっかり行いましょう。

ハイブッシュ系の収穫は7月で終わるのに対して、ラビットアイ系は8月に最盛期を迎え、種類によっては9月上旬まで収穫できます。収穫が終わった木は、翌年に向けて栄養を蓄えるようになります。

ラビットアイの収穫

ブルーベリーは追熟しないため、樹上で完熟させてから収穫します全体が濃いブルーになってから4、5日後が収穫適期で、指でひねったり引っ張ったりしなくても、簡単に実がとれるようになります。無理にねじって取ると実が傷むこともあるため、適切な時期に収穫することが大切です。

真夏の収穫で注意するのは、水やりで味が薄まることです。実の味が薄まらないよう水やりをする前に収穫しましょう
収穫後はすぐに冷蔵庫等で冷やせば、長く日持ちします。

病害虫のもとになるので、完熟した実を取り残さないようにしましょう。

猛暑の水やりは早朝と夕方に

30度を超える猛暑が続き降水量も少ないため、水切れには注意が必要です
水分が足りずに土が乾燥しすぎると根がだめになり、最悪枯れてしまいます。
以下のポイントに気をつけて水をあげましょう。

  • 水やりは、日中帯を避け、比較的涼しい朝や夕方にする
  • ホースの中の水も熱くなっていないか気をつける
  • 収穫の日は、水やり前に収穫をすませる
  • 水滴のレンズ効果で葉を傷めないように株元にあげる
  • 多少の夕立の雨では水分不足になる

地植え栽培での水やり

ブルーベリーは乾燥に弱いため、地植えであっても水やりを行います
果実が残っている木で2、3日に1回、収穫後で週に1回程度が目安とされてます。水分が不足すると、上部の葉がしおれたり、木がしなったりしますので、木の様子をよく観察して頻度を調整しましょう。
ブルーベリーの根全体で水分を吸収できるように、木を中心に円周上にまんべんなく水やりします

実は農園主の庭にあるブルーベリーは、たまに降る夕立の水分で十分で、基本的には真夏でも水やりしてません。メンテナンスいらずで楽ですね!

鉢植え栽培での水やり

鉢植えは乾燥しやすいため、毎日水をあげましょう乾燥が早ければ1日2回朝晩に水やりします

ただし、必要な水分量が減る収穫後は、乾燥状態にあわせて2日に1回など頻度を見直しましょう
底から水が流れ出るほどたっぷり水を与えることで、水分補給と土中の空気の入れ替えが併せて行えます。

【鉢植えで乾燥しすぎた場合の対処】
ブルーベリーの用土に使われるピートモスは乾燥しすぎると水を吸いにくくなります
カラッカラに乾燥した場合には、バケツに水を張って、半日ぐらいつけておきます。
また、全体的に枝が弱っているようであれば、乾燥によって根が弱っている可能性があるので、剪定して枝や葉の量を少なくする必要もでてきます。(弱っているときは半分ぐらいまで剪定してます)

乾燥状態かどうかを持ち上げみればわかります。すっごい軽ければ警戒を、さらに数日放置して枝も弱っているなら剪定などの対処を検討しましょう。

暑さ対策の見直し

夏の暑さと乾燥からブルーベリーを守るためにマルチングが有効です。土の表面を覆うことで水の蒸発と地温の上昇を緩やかにできます。また、8月は熱さと乾燥で水分も不足しがちになります。鉢植えは乾燥しやすいため、土の状態を見ながら毎日しっかり水をあげましょう。特に小さい鉢は乾燥しやすいため、注意が必要です。

根の不調があるブルーベリーの保護

根腐れやコガネムシの幼虫などの要因で、根が傷んでしまうことがあります根が傷むと水分や栄養分の吸収が滞って成長に支障をきたし、ひどくなると枯れてしまいます。水のあげすぎによる軽い不調であれば、以下を試しましょう

  • 水やり頻度の見直し
  • 鉢の置き場の再検討(半日陰へ移動したり、台などに乗せて通気性を上げたりします)
  • 肥料を控える

深刻な状態の時は土から掘り出し、腐ってしまった根やコガネムシの幼虫を取り除いて植え替えます。根が小さくなった分、水や栄養の吸収量も少なくなるので、枝を落として調整します。

コガネムシの幼虫対策には「ダイアジノン粒剤5」という農薬も使えます。ただし、使用できるのは収穫の14日前までなので注意しましょう。

マルチングの見直しで直射日光が地表に当たらないように

乾燥や暑さを防ぎ、雑草対策としても有用なのがマルチングです。ブルーベリー栽培ではビニールシートではなく以下のような有機物を5-10㎝の厚さで表面に敷き詰めます。水やりをしやすくし、根元から出てくる芽を痛めないようにするためです。

肥料成分が多いものや分解されやすいものは土壌の成分に影響を与えるため避けましょう。

  • ウッドチップ
  • 樹皮(バーク)
  • もみ殻
  • 落ち葉

乾燥を抑えきれない小さい鉢植えは日陰に移動

鉢植えは乾燥しやすいですが、以下のような場合はさらに乾燥しやすくなります。

  • 苗木段階で直径15㎝の5号鉢以下で育てている場合
  • 素焼き鉢で育てている場合
  • 黒い色の鉢で育てている場合

特に小さな鉢は乾燥しやすいので要注意です。水やりをしっかりと行い、水切れが心配な場合は半日陰に移動しましょう。

受け皿に水を張っても水切れ対策にならず、根腐れや病害虫の原因となるのでやめましょう。

収穫が終ったブルーベリー

8月になると大半のブルーベリーの収穫期は終わります。しかし、収穫で満足してそのまま放置してしまうと、害虫が発生したり、栄養不足で翌年の成長に影響が出たりします。いくつかすべきことがありますので、しっかり対応しましょう。

防鳥ネットの撤去

8月と9月は台風の上陸が多いこともあり、中途半端な強度のものは支柱が折れたり飛ばされたりして危険です。収穫期が終わったら防鳥ネットは取り外しましょうネットの品質にもよりますが数年は使えるので、枝にひっかけてやぶくことのないよう丁寧に外し、来年までしまっておきます。

頑丈な支柱と基礎でしっかり固定できているなら、台風対策として残すのも一つの方法です。

 落ちた葉や果実の掃除

8月末になり暑さが和らいでくると以下のような害虫が発生しやすくなります。

  • ショウジョウバエ
    • ブルーベリーに限らず、腐った食べ物に付きます
    • ダメな果実は取り除いて、木の周辺に増えないようにする
  • コガネムシの成虫
    • 土中でブルーベリーの根を食害し、最悪の場合枯らしてしまう
    • 弱っている木は土を掘り返すなら、念の為に殺虫剤(ダイアノジン等)をつかう。
    • 特に鉢植え栽培で注意
  • イラガの幼虫
    • 葉がレース状に透けている時は裏側にイラガの幼虫がいる可能性が高い
    • イラガがいると怖くて収穫できないし、葉が食べれれて木が弱るので対処する
    • 毛虫用の差駐在、家庭菜園なら天然由来が好みであればベニカナチュラルスプレー等

イラガの幼虫は電気虫とも呼ばれるほど刺されると痛いので、素手で触らないようにしましょう。

お礼肥

果実の収穫が終わると、目に見えて新梢が増えてきます。果実の成長のために消費された養分を補うことで弱った樹勢を取り戻し、新梢をしっかりと成長させるため、収穫期が終わったらできるだけ早く肥料を与えます。ブルーベリーは夏から秋にかけて花芽が分化するので、お礼肥により花芽も充実します。有機物マルチをどかし、一か所に固まらないように円周上に肥料をまいて軽く土と混ぜます

 根が土の表面に出てきてしまっていたらピートモスを補充しましょう。

やらないほうがいい作業

夏の猛暑は植物にとって過酷でダメージをあたえます。以下のような作業は控えましょう。

  • 挿し木(根が出るまでに枯れてしまいます)
  • 植え替え(木に負担がかかり弱ってしまいます)

本人の熱中症を予防する意味でも、日中ではなく朝や夕方の涼しい時間帯に作業して、どうしても必要な作業を覗いて9月以降に回したほうがしましょう。